コラム

ブレンドハーブティーの製造・販売方法

ブレンドハーブティーを作って販売しよう!と思ったはよいものの、作品を形にするまでにいくつかの苦労がありました。

(販売開始後のマーケティングの苦労に比べたら大したことはありませんが! 笑)

何が大変かって、ハーブティーに関する「小商いの始め方」的な情報が全くないことです。

当店では、

・所属団体のJAMHAの案内で行政手続きが必要なことを確認し、

・奇跡的に発見したハーブティー製造されている方の2~3のブログからなんとなく流れをつかみ(助かりました)、

・保健所やレンタルキッチンのスタッフさんに教えてもらいつつ

何とか正式に販売できるまでこぎつけました。

今回は、その流れを備忘録的に書いてみます。

ハーブティーの製造に関して、芳草ではこの一連の流れを踏むことは恐らくもうないと思いますが、将来の当店の植物療法講座の受講生さまのご参考になるかもしれません。

そんな思いです。

ちなみに、 

・個人事業で

・店舗を持たずに

・ブレンドしパッキングしたものや、小分けのシングルハーブを

販売するための方法となります。

いきなり人様の動画を引用するのもどうかと思いますが、まずはこちらをご覧ください。

初めに見たかった…というものを最近見つけたので、よかったら☟

ハーブティーを販売する方法

当店ではJAMHAの会報誌で確認しましたが、JAMHAのHPにも詳しく書かれています。

「ハーブティーを販売したい」としたときにどのような販売方法があるのかと、それぞれの販売方法で保健所への届け出等が必要なのか、について知ることができます。

それまでは営業許可や届け出が不要だった販売形態も、食品衛生法の改正により営業許可や届け出が必要になった、という内容です。

当店の場合はブレンドハーブと小分けのシングルハーブの販売を予定していたので営業届が必要となりました。

この許可なのか届け出でよいのか、も含めて以下、記録していきますね。

ブレンドハーブを製造・販売するまでの流れ

ブレンドハーブの販売は自由度が高いです。

「営業許可申請書・営業届」さえ提出すれば、そのほかには自分のブレンディングの腕だけ。

腕に自信があり、各ハーブの安全性さえ把握していれば、ほかの資格は必須ではありません。

まずは「営業許可申請書・営業届」という様式を眺めて、ここから必要なことを逆算しましょう。

「食品衛生責任者」との聞きなれぬ言葉があります。

そのほか気になるのは営業施設あたりでしょうか。

いろいろと調べて、営業許可でも届け出でも、いずれ食品衛生責任者は必要なようなので、ここから動きました。

以下、項目別に見ていきましょう。

1 食品衛生責任者

2 原材料・資材等の仕入れ、道具の準備

3 レンタルキッチンの選定

4 営業届

食品衛生責任者養成講習

「栄養士」などの資格を持っている場合を除き、「食品衛生責任者」の資格を得なければなりません。

各自治体で開催される「食品衛生責任者養成講習」を受講するだけで与えられる資格です。

自治体にもよると思いますが、意外とすぐに定員に達しますので早めに申し込みをしましょう。

当店スタッフが無事に取得し、「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」を遂行してくれています。

ちなみに、「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」では計画書を作成しますが、保健所の方に確認し、「製茶業」を参考にすればよいのでは、とのアドバイスをいただきました。

計画書や記録表を作成したからといって、保健所に提出することはありませんが、万が一に備えて保管くように、とのことでした。 

営業届

営業許可が必要なのか、届け出で済むのかは各自治体により異なるようです。

恐らくほとんどの自治体では届け出で済むと思いますが、念のため保健所の担当課に確認します。

ちなみに、市内でもさらに区にわかれているような自治体の場合、「製造場所」のある区役所の担当課に確認する必要があります。

当店のようにレンタルキッチンでの製造を予定している場合は、そのレンタルキッチンが「製造場所」ですので、レンタルキッチンのある区に確認します。

いずれの場合でも、書類を窓口に持参でも良いですが、オンラインでも申請可能ですよ。 

余談ですが、ハーブティーの製造の事例やレンタルキッチンでの製造の事例が聞きたくて、自宅の属する区に聞いてみたところ、事例がないので不明、との返答でした。

レンタルキッチンの属する区にはいずれの事例もあり、詳しい方がいるようだったので、はじめからそちらに相談すればよかったです。

「屋号」の欄について

当店では先に開業届を出してから営業届を出したので、屋号がありましたが、ない場合は保健所に確認してみましょう。

「製造場所」に記載した住所は、食品の表示ラベルにも記載します。

当店の場合はレンタルキッチンです。

何かあった際にはレンタルキッチンにもご迷惑がかかることになるので、記載が可能かどうかは事前に確認しておきましょう。

原材料の仕入れ

仕入れ先、迷いますよね。

何かご縁のあるところに依頼するのが理想ですが、なにぶん人脈がないもので。

どう探せばよいかわかりませんよね。

結局インターネット頼りです。

はじめ、薬局に漢方やハーブを卸すメーカーさまを発見し、ぜひともお取引を、と検討していましたが、薬局レベルとの取引ということは小ロットは難しそう、と思い今回はあきらめました。

販売規模が大きくなったら、将来的にはこちらにお願いしたいものです。

いろいろ探していく中で、あるメーカーさまの品質と鮮度へのこだわりっぷりが気になりました。

こだわりの中に厳しさが感じられ、少し怖そうでしたが、信念をもって販売をされているようだったので、こちらにお願いすることにしました。

ただ、当店店主はオタクですのでマニアックなメディカルハーブも欲しいところです。

先のメーカーさまで補えないハーブは、メディカルハーブを豊富に取り扱うメーカーさまから仕入れることに決定しました。

ほかの方のブログ記事を見てみると、ECモールから仕入れている方もいらっしゃるようです。

コンセプトにもよると思いますが、当店ほど真面目に気を張らなくてもよさそうですよ。

資材等の仕入れ

こちらも、インターネットで比較的上位に出てきたお店に依頼しています。

・パッケージの袋

・初回は発注しませんでしたが、今後、空のティーバック

シリカゲルは1gでちょうどよい個数があったのでアスクルで。

ラベルもアスクルです。

余談ですが…

検索上位でないお店に、申し訳ない、と思いつつ、やはり上位に出てきて、よさそうならそこに頼んでしまいますよね…

検索上位を取れない当店はひしひしと世知辛さを痛感します。

道具の準備

当店ではシーラーが必要な袋を使用しています。

お茶を販売する場合なら、ほとんどがそうなると思います。

業務用のシーラーは確実に圧着してくれますが、高額。

そして重くておいそれと持ち運びができません。

おすすめしたいgearを見つけました。

真空パック機兼シーラーです。

正式な商品名がわかりません。

シーラーと真空パック機が一緒になっています。

こちらの特徴は

・軽量タイプなのにきちんと圧着できる

・温度調整ができる

・真空パック機能もついている

高機能。

ハーブティーの製造ではレンタルキッチンをお借りするので、持ち運べるという条件は外すことができず。

ただ、軽量タイプだと温まるまで時間がかかったり、きちんと圧着できなかったりするものが多いようです。

こちらは何段階か温度が選べるので最高レベルがあるなら圧着はできるだろうと思い選びました。

使ってみると、ハーブティーのアルミパックもしっかりと圧着してくれました!

ただ、封を切ったシリカゲルの袋を真空パックでの封留めにはコツが必要でした。

コツが必要なようです。

ほかには調合に使うスケール、スプーン、器あたり。

衛生用品として、ゴム手袋(食品衛生対応と書いてありました)、シャワーキャップ、エプロン(エプロン代わりになるような、かっぽう着的な木綿シャツ)

シャワーキャップは衛生キャップの代用です。

スーパーやドラッグストアでは見つけられなかったので、頼りの100均にて。

風呂コーナーや掃除コーナーを探してもなく、ビューティーコーナーにありました。

レンタルキッチンについて

パッケージングして販売する菓子や食品の製造が可能なレンタルキッチンを選びました。

ちなみに、営業許可の場合は営業許可施設基準を満たした製造所でないと許可が下りません。

きちんと実地検査されます。

そもそも、レンタルキッチンを借りる必要があるのかについて解説します。

届け出の場合は自宅でもよいのか、レンタルキッチンの方がよいのか不明で、保健所に確認しましたが、明確な返答がありませんでした。

(確認した区がレンタルキッチンでの製造の事例がない区だったということもありますが)

ただ、伝えられたのが、検査はしないが「営業許可施設基準を満たした製造所」であること

例えば、シンクが2つあり、それとは別に手洗い場所がありなど、一般家庭では不可能な要件ばかり。

普通の家庭では不可能なのに、ハーブティー製造されている方って全員レンタルキッチン使用しているわけでもなさそう…と疑問に。

(あるブログの方はご自宅での製造のようでした)

レンタルキッチンのスタッフさんにこのことをお伺いしてみたところ、ハーブティーではないが、店舗を持たずに自宅で食品を製造している方は、そのために改装したりされているとのこと。

ただ、届け出の場合は実地検査がなくザルなので中には…とここで何となく察しました。

経費をかけずにできる方法はありますが、お客さまには安心してご提供したいので、客観的に良好な衛生環境であることがわかる場所をお借りしている次第です。

その他 細かいこと

ハーブティーの仕入れ先が決まったら、上記のあれこれと並行して

自宅でブレンドレシピを作成

→ラベル作成

と進め、

→レンタルキッチンで製造

→コンセプトや説明文を作文してUP

→完成

となります。

薬機法に気を遣いつつの作文がまた一苦労。

結局、「薬効を知りたい方は芳草の植物療法講座を受けましょう」に逃げました。

グレーな工作するよりこれが一番真っ当ですね、きっと。

正しいことをしていた方が精神衛生上も楽です。

ハーブティーのラベルの記載に迷いますが、おすすめの参考はやはりJAMHA

補足として、

個人事業の場合は「製造者」は個人の正式名となります。
屋号は任意ですが、個人名は必須です。

いやだなぁ~という場合は、法人化しましょう。
(ラベルには載らなくても代表取締役として個人名は表に出ることにはなりますが)

連絡先は必須ではありませんが、当店の場合は住所がレンタルキッチンで、何かあった際にお客様がご連絡を取れなくなってしまうので、お問合せ先として、電話番号とメールアドレスも載せています。

そしたらマーケティングをがんばりましょう

お疲れさまでした。

これで終了。。。

な、はずはありません。

ここがスタートです。

大量のハーブを仕入れるだけでも軍資金を大量投入したはず。

趣味なら良いのです。最終的に自家消費でも構わないという場合なら。

そうでないなら、それをpayしていかねばなりませんよ。

オンラインショップだけでも、マルシェや委託販売といった物理的に露出頻度を増やすにしても、導線を考えたりリピートにつながる施策が必要となります。

作る前に、実は計画的な設計が優先です。

その反対のことをしてしまい、四苦八苦している当店が言うことではないですが。。。


おすすめはマーケティング侍のりゅう先生のYouTubeチャンネルです。こちらで勉強しましょう。

中小企業の経営者の学びを深め、日本の経済を活性化することを目的に、有料レベルの動画を毎日公開されています。
有料レベルどころか、もはや動画講座ですよ…しかも鮮度の高い情報を惜しみなく…
鏡ですね。

私も毎日お世話になっております。この場をお借りして御礼申し上げます。

あたまがパンクしそう~という方はまずはVoicyから入るのもおすすめです。

「マーケティング侍」と検索すると出てきます。
ちなみに、「ニューロマーケティングのたか博士」も同時にヒットすると思いますが、りゅう先生のお友達で、YouTube動画にもたくさん登場されています。

本当の講座を受けているつもりでノートを取りながら見たり聞いたりするのがおすすめですが、それで終わりじゃなく、学んだことは最低1個、すぐに取り入れましょう。

この文章が、どなたか必要としている方のお役に立てましたら幸いです。